バイデン米大統領がロシア制裁の1年間延長を発表
米国のジョー・バイデン（Joe Biden）大統領は4月7日、ロシアへの経済制裁を1年間延長すると発表した。
ホワイト・ハウスの公式サイトでは、「ロシア連邦政府の特定有害な対外活動に関する国家緊急事態の継続についての通知」が発表された。
「2021年4月15日、大統領令14024により、国際緊急経済力法（50 U.S.C. 1701 et seq）に基づき、ロシア連邦政府の特定有害な対外活動による米国の国家安全保障、外交政策、経済に対する脅威に対処するため、国家緊急事態宣言を出した。 2022年3月8日、大統領令14024で宣言した国家緊急事態の範囲を拡大するため、大統領令14066を発令した。 さらに2021年8月20日、2022年3月11日、2022年4月6日にそれぞれ、大統領令14039、14068、14071を発令し、大統領令14024で宣言した国家緊急事態に関して追加の措置を講じた。
ロシア連邦政府の特定有害な対外活動、特に米国およびその同盟国やパートナーにおける自由で公正な民主的選挙の実施と民主的制度を害する活動、米国およびその同盟国やパートナーに対する悪意のあるサイバー活動、外国政府に影響を与えるための国境を越えた腐敗の助長、反体制派やジャーナリストを標的とした域外活動、米国の国家安全保障にとって重要な国や地域の安全を損なう活動、国家の領土保全の尊重を含む国際法の原則の違反は、米国の国家安全保障、外交政策、経済に対して脅威を与え続けている。そのため、大統領令 14024 で宣言され、大統領令 14066 で範囲が拡大され、大統領令 14039、14068、14071 で追加措置が講じられた国家緊急事態は、2023 年 4 月 15 日以降も効力を維持する必要がある。
したがって、国家緊急事態法（50 U.S.C. 1622(d)）の第202条（d）に従い、大統領令14024で宣言した国家緊急事態を1年間継続させる。
この通知は連邦官報に掲載され、議会に伝達されるものとする。
ジョセフ・R・バイデン Jr.」
制裁措置により、ロシア下院とその議員を含むロシアの団体、ロシアの軍産複合体関連企業、ロシアの制裁逃れに関わった個人および企業も制裁の対象に指定された。
なお、マルコ・アントニオ・ルビオ（Marco Antonio Rubio）上院議員は3月30日のFOXニュースのインタビューで「この制裁により、他の政府はドル以外での国際決済の導入を進めている。5年後、ドル以外の通貨で取引する国が増えると、制裁能力がなくなるため、制裁については話す必要もないだろう」とコメントした。
バイデン大統領はロシアに対する制裁について、制裁を発動する以外の選択肢は直接軍事衝突しかないと以前から主張していた。
バイデン大統領は2022年2月26日の政治評論家ブライアン・タイラー・コーエン（Brian Tyler Cohen）氏とのインタビューで、「2つの選択肢がある。1つは第三次世界大戦を起こしてロシアと戦争する。もう1つは制裁を拡大し、国際法に違反した国に代償を支払わせる」とコメントした。
2023年2月20日、バイデン大統領はウクライナの首都キーウ市を訪問し、ウォロディミル・ゼレンスキー（Volodymyr Zelensky）大統領と会談した。ウクライナに対して、軍事支援防4.5億ドルその他支援1千万ドルの他、ウクライナ市民に対する支援数十億ドルを約束し、さらに、制裁逃れを行うロシアのエリートや企業に対して追加制裁を発表した。
なお、制裁延長のニュースは為替相場、ビットコインの値動き影響は与えていない。
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