ランサムウェア攻撃で得た暗号通貨をマネーロンダリングした疑いで逮捕されたロシア人、身柄を米国へ引き渡し

米国連邦地検(the U.S. Attorney’s Office)と米国司法省(the U.S. Department of Justice:DOJ)は、マネーロンダリングの疑いのある29歳のロシア人デニス・ドゥブニコフ(Denis Dubnikov)氏がオランダから米国に引き渡されたことを発表した。

 

ドゥブニコフ氏は暗号通貨取引所エッグチェンジ(EggChange) とクリプト・コヨーテ(Crypto Coyote)の共同創設者である。2018年8月から2021年8月の3年間に、病院などを標的としたサイバー犯罪で得た収益の暗号通貨でのマネーロンダリングに関与した疑いがある。そのうち、2019年7月にドゥブニコフ氏はリューク(Ryuk)ランサムウェアサイバー攻撃で手にした身代金40万ドル以上をロンダリングしたとされている。

 

マネーロンダリング組織は少なくとも7000万ドルをロンダリングしたと見られる。有罪判決となった場合、ドゥブニコフ氏は最高で20年の懲役刑を受ける。

 

リュークというランサムウェア攻撃は4年前に初めて確認された。ファイルを暗号化し、システムのバックアップを削除するソフトウェアの一種で、ロシアのランサムウェアグループと関連があるとされている。そして、Covid-19のパンデミックに乗じて、世界中の病院や医療機関を攻撃した。

 

ドゥブニコフ氏は2021年11月1日、休暇で訪れたメキシコに到着した直後、メキシコシティの空港で拘束され、その後オランダ行きの飛行機に乗せられ、オランダ当局に逮捕された。彼の弁護士アルカディ・ブフ(Arkady Bukh)はメディアで、「メキシコで米国の法執行機関がドゥブニコフ氏を事実上誘拐した」と主張した。ドゥブニコフ氏の陪審裁判は10月4日オレゴン州の連邦裁判所で開かれる。

 

暗号通貨取引所BTC-eの運営者とされるアレクサンダー・ヴィニック(Alexander Vinnik)氏は2017年夏、家族とともに夏休みを過ごすため訪れたギリシャテッサロニキで逮捕された。暗号通貨取引所BTC-eを介して40億ドルをロンダリングした疑いで米国から令状が出ていた。ヴィニック氏はまずフランスの司法当局に引き渡され、マネーロンダリングの罪で5年の禁固刑を言い渡された。フランスで刑期を終えた後、ヴィニック氏はギリシャに戻され、その後米国に引き渡された。

 

各国政府はサイバー犯罪を阻止するため取締を強化している。セキュリティを向上させると同時に、犯罪グループの摘発も強化している。

 

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