MiCA可決!EUが次の暗号通貨の中心になるか?

4月20日EU議会は暗号資産市場規制法案(Markets in Crypto-Assets Act:MiCA)を可決したと発表した。内訳は賛成517票、反対38票棄権18票だった。なお、結果は織り込み済みであったため、業界関係者に大きな衝撃はなかった。ただし、EU加盟国27ヶ国による世界初の包括的な暗号通貨規制法案ということで、大きな注目を集めている。

 

MiCA EU内の暗号通貨の規制を統一し、消費者や投資家の保護を目的に策定されたまた、暗号通貨サービスプロバイダーは単一のライセンスを取得すればEU全域で事業展開できるため、サービスプロバイダーにもメリットがある。サービスプロバイダーはステーブルコインを発行する場合は十分な資金の保全が義務付けられている。

 

また、今回の合意文書には、市場操作、マネーロンダリング、テロ資金調達、その他犯罪行為に対する対策が盛り込まれている。

 

MiCA2020年9月に原案が提出され、2022年6月に欧州理事会で暫定合意に達し、その後立法化が進められた。なお、2022年6月に暫定合意に達してから可決までに1年近くの時間を要したのは、法案が571ページと膨大な量であったため、法律部門と翻訳部門を通過するのに時間がかかったためである。MiCA2024年に法律として制定される見込みである。

 

MiCAは多くの暗号通貨関連企業に歓迎されている。なぜなら、約4億5000万人がいる巨大なEU市場に参入できるからである。ステーブルコインのUSDコイン(USDCを発行するサークル(Circle)のEU戦略・政策ディレクターであるパトリック・ハンセンPatrick Hansenは、「世界的に不確実性が広がる中で規制を明確にすることは、4億5000万人の消費者を抱える大規模な単一市場と相まって、EU暗号通貨プロジェクトの次の世界的ハブとる可能性がある」とツイートした。

 

大手暗号通貨取引所バイナンス(BinanceCEOチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao、通称CZ)氏は、「MiCAの実施は世界最大の市場の1つがユーザーを保護し、イノベーションを支援するために、暗号通貨合った規制を導入することを意味する。細かいディテールは重要ですが、全体として、これは私たちが集団で直面している課題に対する現実的な解決策だと考えている。暗号通貨取引所がEUで活動するための明確なゲームルールが存在する」とツイートした。さらに、「私たちは今後12~18ヶ月かけて、完全なコンプライアンスの立場に立つため、事業の調整を行う準備が整っている」と付け加えた。

 

また、DeFi(分散型金融)プロジェクトのアンストッパブル・ファイアンス(Unstoppable Finance)共同創設者ペーター・グロスコプフPeter Grosskopfは、「アメリカは強制的な規制を行っている」、「EU暗号通貨業界全体にとって安全な空間となり、世界中のイノベーターがここでビジネスを展開するようになるだろう」と語った。米国がこのまま暗号通貨の規制を強めれば、多くの米国企業がEUに移る可能性がある。

 

MiCAにはメリットだけではなく、弱点もある。MiCAの規制は仮想通貨レンディング、DeFiNFTには対応していないことである。そのため、今後はこれらに対応したMiCA2が策定されると多くの業界関係者は見ている。グロスコプフ氏は次回の欧州選挙の後にDeFi規制が焦点となると予想し、「プロセスに影響を与えるため、できるだけ早くDeFi規制について考え始め、積極的に行動することが重要だ」と述べた。

 

MiCAが成功すれば、暗号通貨規制の国際的なテンプレートになる可能性がある。そのため、MiCAは今後の暗号通貨業界に大きな影響を与える可能性がある。

 

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