2023年はさらに厳しい一年に！IMFの世界経済予測

国際通貨基金（International Monetary Fund：IMF）のクリスタリナ・ゲオルギエヴァ（Kristalina Georgieva）専務理事は、2023年1月1日、CBSのニュース番組のインタビューで、米国、EU、中国および世界経済に関するIMFの予測を発表した。

ゲオルギエヴァ氏は「2023年、世界経済はさらに厳しい年になるだろう。なぜなら、米国、EU、中国の3大経済大国が同時に減速しているからだ」と述べた。

彼女はこのように述べた。

「米国は最も回復力がある。米国はリセッションを回避できるかもしれない。しかし、40 年間で最高の水準であった昨年の米国のインフレ率を目標水準に戻すために、FRBの政策が回復を妨げるリスクもある。インフレ率は2022年末にピークを過ぎた兆候が見られらたが、それでもFRB の目標である2%というインフレ率のほぼ 3 倍である。労働市場が活況であれば、インフレを引き下げるための金利と金融引締政策が長期化する恐れもある。米国の雇用市場は予想ではあるが、12 月には非農業部門で20万人の新規雇用が創出され、失業率が 3.7% と1960年代以来の低水準となった。

EUはロシア・ウクライナ戦争で大きな打撃を受けた。EUの半数がリセッションに入る可能性がある。

中国は厳しいゼロコロナ政策で、2022年は大きく減速した。2022年末にゼロコロナ政策を廃止し、経済再開に乗り出したが、コロナ感染者が急増し、中国消費者の警戒が高まっている。2022年の中国の成長率は40年ぶりに世界の成長率と同等以下になる可能性が高い。今後数ヶ月間続くであろうコロナ感染者の急拡大が2023年の中国経済をさらに減速させる可能性があり、中国経済の減速は世界経済の成長に影響を及ぼしかねない。

発展途上国は金利の高騰とドル高によって、さらに危機的な状況となる可能性がある。高金利の経済は経済に壊滅的な打撃を与える」。

最後に、「世界は劇的に変化し、影響を及ぼす範囲が拡大した。例えば、コロナ禍、ロシア・ウクライナ戦争、インフレがその例である」と指摘し、「そのため、臨機応変に、予防的行動を取らなければならない」と締めくくった。

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