FTXがボイジャーの顧客へ数億ドルの出金支援を提案

大手暗号通貨取引所FTXの創設者兼CEOであるサム・バンクマン-フライド(Sam Bankman-Fried)氏は7月22日、破産申請した暗号通貨(仮想通貨)レンディング会社ボイジャー・デジタル(Voyager Digital)社に顧客のために出金支援を提供する提案をした。

 

FTX の提案内容は「ボイジャー・デジタル社の顧客がFTXで口座を開設すれば、破産申立てに応じて資金を出金できるようになる」というものである。同提案はボイジャー・デジタル社の破産申請を審理している裁判で承認が必要であるため、7月26日までにボイジャー・デジタル社から回答を、さらに7月30日までに最終書類の提出を目指している。

 

バンクマン-フライド氏はフォーブス(Forbes)のデジタルアセット分野のリサーチディレクターであるスティーブン・アーリック(Steven Ehrlich)氏と6月28日に会談し、「いくつかの暗号通貨会社がまだ公には知られていないが債務超過に陥っている。今後さらに多くの債務超過が起こるだろう」と警告した。暗号資産レンディング会社セルシウス・ネットワーク(Celsius Network)の出金凍結など、財務問題が表面化した企業が増えている。暗号通貨ヘッジファンドのスリーアローズ・キャピタル(Three Arrows Capital:3AC)社も破産申請した。

 

FTX、FTXUSのオーナーであるウエスト・レルム・シャイア(West Realm Shire)社、アラメダ・ベンチャーズ(Alameda Ventures)は共同で7月22日、「ボイジャー社の顧客になるべく早く流動性を提供するよう計画している」、「私たちの共同提案の目的は一方的なリスクを取ることではなく、顧客が流動性を得て資産の一部を取り戻せるよう、すなわち債務超過に陥った暗号資産ビジネスをより良い解決ができるよう手助けすることだ」と語った。

 

さらに、バンクマン-フライド氏はCNBCの7月22日の経済ニュース番組クロージング・ベル(Closing Bell)のインタビューで「FTXは不況に苦しむ暗号企業のために数億ドルを準備した」、「必要な人に資本提供するため、より多くの人に資本を提供したい」と述べた。

 

バンクマン-フライド氏は米国証券取引委員会(the U.S. Securities and Exchange Commission:SEC)による暗号通貨インサイダー取引事件の取締について、「暗号通貨市場は近い将来、規制が厳しくなる」、「最終的には私は連邦政府による暗号通貨の監視を望んでいる。暗号通貨はお金と金融の仕組みに変化をもたらすのではなく、銀行2.0となるだろう」と語った。

 

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